ハウスクリーニングの相場と内訳

ハウスクリーニング代とは、賃貸住宅を退去する際に利用する清掃サービスのことで、そのサービスを利用する費用を指します。一般的に、ハウスクリーニングは賃貸物件のあらゆる箇所の清掃を指しますが、それに対し原状回復とは、落書きやタバコのヤニなどによる壁の汚れなど借主の故意や過失による汚れを復旧することを指します。これらはハウスクリーニング代とは別途費用として請求されることがあります。


ハウスクリーニング代は本来貸主が負担すべき費用ですが、賃貸契約を結ぶ際に借主が負担するよう「特約」で取り決めることができます。ハウスクリーニングは、次にその物件を借りる人が気持ちよく利用できるようにするためには欠かせないものとされます。


ハウスクリーニング代の支払い時期は入居時か退去時のどちらかとされており、物件によって異なります。退去時にハウスクリーニング代を支払う場合には、退去から1ヶ月程で管理会社から請求書が届きます。基本的には敷金から差し引かれて精算が行われますが、原状回復代などの別途費用が発生した場合には追加の請求が発生することもあります。

退去時にハウスクリーニング代に関するトラブルを避けるためには、入居前にハウスクリーニング代を請求する物件もありますが、一般的には退去時に請求されることがほとんどです。賃貸契約の際にハウスクリーニング代の請求タイミングについてチェックしておくことで、入居・退去時に必要な費用に余裕をもって用意できるでしょう。


ハウスクリーニングの費用相場

ハウスクリーニング代の内訳と費用相場について紹介します。

クリーニング代の費用相場は下記を参考にしてみてください。


~物件の広さ ハウスクリーニング代の費用相場~

1人暮らし用の物件(1Kや1R) 15,000円~40,000円

カップルや夫婦など2人暮らし用の物件(1LDK~2LDK) 35,000円~80,000円

ファミリー向け物件(3LDKからそれ以上) 40,000円~100,000円


このようにハウスクリーニング代は、賃貸物件の部屋の広さによって相場が変わり、また作業のタイミングによっても料金が変動します。引っ越し時期と被ったり、居住中の場合には家具などを洗剤で汚さないように養生する必要があり、その分費用が高くなるでしょう。


ハウスクリーニング代の内訳

ハウスクリーニングでは以下の主に9つの作業内容が行われます。


・ペストコントロール

ハウスクリーニングには、害虫や有害生物の制御も含まれます。契約の際に「消毒費用」として請求されることもあります。


・水回りの清掃

トイレや洗面所、キッチン、浴室などを対象とした清掃が行われます。


・玄関周辺の清掃

玄関の床面やシューズボックスの内部や外側、玄関扉など玄関周辺を対象とした清掃を行います。


・床の清掃・ワックスがけ

床の清掃後、フローリングにワックスをかけて保護します。


・部屋全体の清掃

床や照明、カーテンレールなど部屋全体を徹底的に清掃します。


・サッシや網戸、窓の清掃

窓や網戸、サッシなどもきれいに洗浄されます。


・ベランダの清掃

ベランダは汚れが溜まりやすいため、高圧洗浄機を使用してしっかりと汚れを落とします。


・エアコン内部の洗浄

専門業者がエアコンを分解し、内部まで徹底した洗浄を行います。


・壁紙の張り替えや清掃

壁紙の汚れによっては、清掃だけでなく張り替えが必要な場合もあります。


主にこれらの作業内容によって、ハウスクリーニング代の費用が決まります。マンション室内の汚れ具合によっては見積もりより高くなる可能性があります。また、駐車料金や出張費が追加で請求される可能性もあります。別途追加でかかる費用については事前に調べ把握しておくことが大切です。



敷金や礼金が0円の物件の場合の注意点

敷金や礼金が0円の賃貸物件は、初期費用が安くなるために魅力的に感じるかもしれませんが、ハウスクリーニング代が実費負担になるため注意が必要です。通常、敷金のある物件では退去時に支払った敷金からハウスクリーニング代が差し引かれますが、敷金や礼金が無い物件の場合は退去時に実費でハウスクリーニング代の請求が行われます。ハウスクリーニング代の金額は契約書に記載されている場合もありますので、契約書を確認して退去時の費用を把握し、準備することが重要です。


ハウスクリーニングを自分で依頼するメリットと注意点

以下に、ハウスクリーニングを自分で依頼する際のメリットと注意点を示します。


~メリット~

敷金の返金額を増やせる可能性がある

自分でハウスクリーニングを依頼することで、管理会社や大家さんが契約した業者よりも安価に清掃を行うことができます。ハウスクリーニング代が敷金から差し引かれず、敷金の返金額を増やせる可能性があります。


・清掃箇所や内容を自由に決められる

自分でハウスクリーニングを依頼する場合、清掃箇所や清掃内容を自由に決めることができます。必要な箇所だけを重点的に清掃することで、コストを抑えることができます。


~注意点~

・事前に大家さんや管理会社に確認をとる

自分でハウスクリーニングを依頼する際には、必ず事前に大家さんや管理会社に確認しましょう。クリーニングが不十分と判断されると、追加のハウスクリーニング代を支払うことになる場合があります。


・値段だけで業者を選ばない

ハウスクリーニング業者を選ぶ際には、値段だけで選ぶのではなく、サービスの質や信頼性も考慮しましょう。安価な業者に頼んだ場合、清掃が不十分で追加の費用が発生する可能性があります。複数の業者から見積もりを取り、適正な価格で提供している業者を選ぶことが重要です。


まとめ

賃貸物件のハウスクリーニングには注意が必要で、相場の確認、敷金や礼金の有無や自身での依頼のメリット・注意点を理解することが重要です。適切な清掃を行い、次の入居者が気持ち良く使えるよう円滑な退去を目指しましょう。